『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第1章 第3話 『おかしな結婚式』

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昭和16年12月30日 私達の結婚式の当日が来た。美容師も多忙で出張してくれないと言うので、朝風呂も朝飯もそこそこに、町の美容室へ車を走らせた。町はもう門松が立ち、歳末の賑わいを呈していた。
 島田をつけてもらい、衣装を着付けてもらうと、重い頭と、きつい胸がつぶれさうで、家では出立ちのちの膳も殆ど喉を通らず、十何年か育ててもらったこの家に、いささかの傷心を残して、仲人夫妻、伯父、伯母、妹、親戚の者3人、私の8人は江上家に着いて、流石に驚ろいた。土木建築請負業という派手な職業柄とはいへ、石垣づみの見事さ、玄関までの石づみの豪華さ、広い庭、庭木のゆき届いた手入れ、敷地だけでも500坪以上あると言はれていたが、いざ目の前にその家の玄関を入り、応接間に通されると、マントルピースが燃えて、やわらかい椅子が客を待っていた。ガラス戸越しに庭が見へ、大きな池があり土橋が掛っていた。その向うにちいさな祠があり、手入れもよく行届いていた。
 流石豪邸だな、と思い私のことを、玉の輿だなどと云った人の事を思うと、少々腹が立つが、親も無い私の様な者を世間の人がそう言うのも無理はないのかな、とも感じた。私は一寸も卑屈は感じなかった。

程なく私は一人、先祖の仏前に詣ってくれと言はれて、佛間に連れて行かれた。その部屋に火鉢をかかへた若い男がいて、私はあっと思った。

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