『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第1章 第4話 『受け取った刀』

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須藤さんと主人
須藤さんと主人

がくがくと私は震えた。どういう意味だろう、刀は本能的にこわい。之でとうしろというのだろうか、とまどっている私に
 「分るだろう、事ある時に死ぬ覚悟があるかと云うことだ」
 彼は言った。其の時私は、何故か乃木希典の夫人を思った。明治天皇に殉じた夫のかたえに、死をともにした賢夫人のこと、私にそんな勇気があるだろうか、こわい、こわい、とってもこわい。しかし私は何故だかその刀を受け取らねばならぬような、切羽つまった気持ちになっていた。そんな事は先ずあるまい、しかしそんな日が来たらどうする。うらはらな気持ちがぐらぐらと揺れていた。

「今なら、受取らず帰ってもよい」
 彼は沈んだ声で云った。其の時、思わず私は刀を受け取っていた。

「よし」

彼は満足気に頷くと、それでは、刀はお前が持って置け、と言い、菓子鉢からまんじゅうを取り出すと、私に食えとくれた。私はとても空腹だったけれど、それは砂を喘む様に、味が無く口の中はからからに乾いていた。

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