『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第3章 第8話 『幸福への入り口』

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とも角も、尚志は大学生になって、三鷹へ通学を始めた。小遣いも思う様に与えられなかったから、云い含めて倹約して貰った。それが不憫だと時々主人は、なけなしの紙幣を尚志に渡した。間もなく奨学金も受けられる様になったし、家庭教師の口も見付かった。何しろ入学金、四年間全期の授業料も免除されたが、一寸も卑屈になる事も無く、いい友人にもめぐり会って、私達をほっと一息つかせてくれた。

仁士も、荏原町まで歩いて、目蒲線の小山台へ通学始めた。此処は近くて三十分位で行ける様であった。

正威は、品川区の伊藤中学の二年生になっていた。引込み思案の子で、自信の無さそうな甘えん坊であったが、少しづつやる気を起こして来た様なのが嬉しかった。

正威は、うわべはおとなしかったから、番長グループはむしろ守ってくれる様子であった。

剣道部に入ると云うので、主人は大喜びをして竹刀を買って与えたが、あっと云う間に、ささらになって来る。そんな激しい稽古をした様子も無いのに、と不思議に思って、又買い与えても、又ささらになる。どうも皆で叩き合って遊んでいる様子である。そのうち、剣道部を止めてしまった。長続きのしない、根性のない子だと、歯がみをしたが、何しろ育てたのは、我々だから仕方がない。しみじみと情けなかった。

その子が後年、何と我武者羅に己の意志を通した事か。

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