『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第3章 第11話 『飛行機に乗る』

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中央 平さん

昭和三十九年の初秋には、尚志の就職が、東京海上火災保険株式会社に決定した。文化放送のラジオモニターで知り合った岩重道子さんが、御主人に話してくれて、いろいろお世話も戴いた。成蹊大学卒業の優秀な人とも知り合って陰ながら助力して戴いた。保証人には、高木丈太郎さん、秀次郎さんの父君、明治生命株式会社社長の、高木金次さんが引き受けてくださった。何しろ、国立大学と慶応大学卒が主として入社しているので、私学はほんの僅かしか入社出来なかった。

高木社長に面会に行った時、
「うちの会社じゃ駄目なのか」
と仰言ったそうである。同じ保険会社であるが、生保と損保の違いは、肌で感じていたのであろう。

面接の時、父親の職業は?と聞かれて、空手師範です。と答えると、皆ホウーと言われたと言った。

きっと、今までそんな異色の職業人を父親に持つ子は入社して来なかったのであろう。

いづれにしても、我々夫婦にとっては、やはり一大事のことで、採用決定の通知があった時は、やはり二人とも一寸涙ぐんだ。

やはり私には、サラリーマンの安定した生活が本当に望ましかったのであった。尚志にはやはり安定した職業を持たせたかった。

後年、尚志が、おかあさんが、丸の内のエリートサラリーマン、などと云うから、洗脳されて自分のやりたい事は出来なくなった、などと言うので、私はドキッ!!とした。そんな事を云ったのかしら?子供に愚痴を洩らしたのか、と我等の陰の部分を照らし出された様で、ドギマギした。

自分の思っていた道を進めなくて、御免よ、と私は心の中で詫びた。子供達には我々のような轍は踏ませたくない。

大牟田の現父母に卒業と就職の報告に行ったら、何しろ三井王国の大牟田市のこと、日本一の損保会社も、
「何だつまらない会社に入社したものだ」
と言う様な事を言われて鼻白んで帰って来た。

それで皆、大笑いをした事があった。

空手師範の息子が、必ずしも父のあとを嗣ぐ必要は無いのだ。武道は世襲では無いと主人は言う。

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