『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第4章 第3話 『我家焼失』

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あの冬は何で岡山へ行ったか。寒がりやで少し体調を崩しはじめた主人に、冬を越すべく平病院に入院させて戴いたのだろう。平病院なら主人もおとなしく治療を受けてくれるだろうし、暖かく過す事も出来る。付添って行った私が、不覚にも熱を出してしまった。

結局補助ベッドで、主人と枕を竝ベて入院ということになったから格好が悪いと云ったらない。主人は口を尖らせて私をなじるが、熱が高くて血圧が二百いくつも有るので一応私の方を一生懸命看て下さる事になり、益々主人一は面白くない。おかしくてたまらないけれど、私も苦しい。

「付添婦が入院しちゃって因るんだよね」
と冗談とも悲鳴ともつかぬ声をあげている。

平さんのお父様は
「東京の大きな病院で奥様を入院させて診察して貰って下さい」
と云われる。平さんの結婚式は四月二日と決まった。前から媒酌を頼まれていたので、又、四月一日には来ねばならない。三月に入りお彼岸も近まって、さしも冷え込むこの岡山の地も、いくらか春のきざしの様なものが見え、私もすっかり治り、主人も厳寒を乗り越えた安吐があり、一先ず東京へ帰る事になった。

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