『遊天荘』の復興・維持を行いながら、武道や空手道を通じた江上茂の教えを後世に伝えます

君影草 完全版 第5章 第9話 『遊天荘に来た人々』

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孫達にかこまれて

ヨーロッパの旅から帰って一息つき山荘に出かけたばかりの七月、大牟田の父の危篤の報があり、あわてゝ九州に飛んだ昭和五十一年であった。

何しろ九十才迄生きた人で、戦災で何もかも失ったと言うものゝ、売り食いで食いつないで行ける土地を持っていた。父は実に頭のよい人で、安い土地を買って置いたのが値上りして、それを手放す時は又、安い土地を必ず買って置く用心深さがあった。そんな才覚が主人にもあったら、と私は思った。だから土地の資産は、それ程減らさず、十二人の子供を育て上げた。そんな恩恵を受けながら、子供達は、やはり残された遺産に執着し、大いなる期待を持っている様子であった。遺産相続は兄弟が多い故に、かなりややこしくなりそうであった。

兄が戦死したので、主人がやはり長兄としてそれを取りしきる事になって、何度も大牟田へ出向き話合うのだが埒があかない。

葬式のあと、私は嫁達がむきだしに遺産分けの話をしているのを悲しく聞いた。父の近くに居る兄弟が、いろいろな物を処分しているらしい、とか株券も貯金通帳もいゝ様に使われている、とか。遠くに居る我々には何とも本当かしら、と疑いたくなる噂ではある。

「おねえさんなんか、いい土地を貰うのでしょう」
あからさまに尋ねる妹嫁もいる。

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